VISION
現在、地球規模で起こっている多くの深刻な問題について、その原因のひとつは、既存価値観の限界であると考えます。既存価値観には、事の大小に関わらず、あらゆるものが含まれますが、そのうちのひとつが、資本主義を支えている価値観です。
私たちは、資本主義の社会に住んでおり、これを否定することはできません。しかし、その資本主義を支えている「お金」の価値に対する考え方は、近年、大きく変化を始めていると考えます。資本主義のなかで、お金儲けをすることは、事業に携わる者にとっての「成功の証」とされますが、それだけを唯一の価値、あるいは目的とした事業を展開することには、社会における大きな問題を生じさせ得ます。
言葉に表さずとも相手を信じたり、目に見えない価値を積極的に認めたりする価値観は、今後ますます重要性を増してくるでしょう。諸々の社会問題が深刻さを増せば増すほど、人間を単に優劣や勝敗だけではなく、それぞれ異なる軸で捉え、互いに尊厳ある存在として認め合うという精神が大切になってくると思われます。
当社では、新しい時代を迎えるにあたり、既存価値観の枠組みを利用しつつ、事業を通じて、そうした次の時代に求められる新しい価値観に立脚した社会作りに、大いに貢献していきたいと考えます。
シンボルマーク
現代社会は、あらゆるところに閉塞感が生まれ、また将来に対する不安も増してきています。こうした時代にあって、これからの時代を切り拓いていく組織は、そうした大きな変化に即応していくことが求められていきます。
社会の枠組みが形成され、一定のルールに基づいて発展すれば良いといったフェーズにおいて、組織はそのルールに従った構造を持ち、内部での機能分担を明確にしながら突き進むのが効率的です。会社で言えば、その時代の環境に合わせて、それぞれの部署がそれぞれの担当を持って、日々の業務をこなしていくということが、最も効率的であるということになります。
しかし、社会の成長が行き詰まり、先行きが不透明になると、その枠組みに軋みが生じてきます。そして、ルールそのもの、あるいはそれに応じた環境全体が大きく変わる可能性が増大していくのです。こうしたフェーズでは、組織はそうした環境に如何に即応できるかということが重大な問題となります。こうなると組織は硬直化し、弱体化していきます。いわゆる二次元的発想で描かれた組織図のような構造では対応できなくなるのです。
こうした問題の解決には、組織に対する三次元的な発想が必要になってきます。そして、組織を如何に三次元的なイメージで捉え切れるかが、これからの組織の柔軟性と即応性を決定付けていくでしょう。当社のシンボルであるタコは、この三次元的な概念を導入することの重要性を表しています。変化に対して、柔軟かつ迅速に対応しつつ、積極的に三次元的な概念を導入することが、シンボルであるタコの意味するところであり、こうした組織こそが次の時代を乗り越えられるのだろうと考えます。
当社では、そうした組織を実現するための人事評価やリソース配分等の管理システムはもちろん、それを構築するうえでの組織哲学の確立等を含めて、新しい時代における組織課題に対して、積極的に挑戦していきます。
ドットCC
企業などで使われる一般的なドメイン名として、ドットCOM(.com)やドットJP(.jp)、あるいはドットCOJP(.co.jp)などが主流なのだろうと思います。しかし、当社では、ドットCCを採用しています。
一般的に「CC」というと、「Carbon Copy」の略で、電子メールを第三者に対して、参考程度に送っておくときなどに使う機能です。電子メールを送るとき、「TO」はあて先であり、本来、その内容を送りたい人のメールアドレスを入力しますが、「CC」はその内容、あるいはやり取りを参考までに見せておきたい人のメールドレスを入力するようにします。
当社のウェブサイトにおいて、ドット「CC」を採用している背景には、この電子メールで使われている「CC=Carbon Copy」のような考え方によって、事業を進めていきたいという意味が込められています。
真に社会や時代から要求されていないものを作り出し、それを普及させようとすると、大変な労力を必要とします。それを実現しようとするための組織を作るにあたっては、その良さをアピールし、従業員などのメンバーを引き込む活動が必要になります。製品やサービスができ上がって、それを売っていくには、その製品やサービスを広く知らしめるためのマーケティングや広告費用を計上していかなければなりません。これらは、従業員や消費者の方々に向けた「TO」の活動になります。
しかし、真に社会や時代に要求される概念を生み出し、それに基づいた製品やサービスを提案できるとするならば、それは必ず多くの人々の共感を呼び、自ずと新しい組織を構成するためのメンバーが集まるようになるでしょう。そして、それを良いと認めてくれる消費者の方々に支えられ、新たな市場が自然と生まれてくるのではないかと思います。そして、そのようにして形成された組織や市場というものは、人々が心から必要と感じてくれているものであり、とても力強い動きをしてくれるものだと考えます。
当社では、そうした真に社会や時代に要求される概念や製品、サービスを生み出すことに注力し、それらに関する情報を発信するスタンスとして、押し付けがましく「TO」でお届けするというよりも、「CC」の考え方、「ご参考までに、こんなものがあります」という気持ちで、お伝えするようにしたいと思っています。
「これからの時代にとって、本当に必要なものを静かに提案していく」
ドットCCには、そんな企業でありたいという思いが込められています。
イッセイ株式会社
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